【心療内科医が解説】疲れが長く続く時にはどうしたらいいのか?

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寝ても疲れがなかなか取れないことはありませんか?
クリニックや病院を受診しても異常が認められない疲れは、体や脳を休めるように伝えている体や脳からのサインです。
特に、今まで頑張って勉強や仕事をしていた人が、風邪などの感染をきっかけにして、強い疲れや倦怠感が長く続くようになる場合が少なくありません。
その場合には、数時間の活動で翌日以降に1日~数日間ほとんど一日中横になって過ごさないといけないほどの疲れが続きます。

このような長く続く疲れを回復するために、まず以下のことを試してみてください。
1)生活習慣を見直す(睡眠など)
2)翌日以降に疲れがたまらない程度に活動量を制限する(脳のエネルギーを消費する活動についても)
3)1と2を少なくとも2ヶ月は実践する

それぞれについて詳しく解説していきます。

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生活習慣を見直す

体調を改善させるためには、まずは生活習慣を見直して生活のリズムを整えましょう!

睡眠を見直す

睡眠時間が短くなっているようであれば、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
平日の睡眠時間が休日の睡眠時間よりも1時間以上少ない場合には、平日の睡眠時間が足りていません。
平日と休日の睡眠時間の差が1時間以内、できれば30分以内になるように睡眠時間を調整しましょう!

昼寝を長時間している場合には、午後3時までに20~30分以内に徐々に減らしてみてください。
眠れていないと昼寝をするときに深い睡眠に入れますが、夜間に深い睡眠を得ることができずに体と脳の回復が遅れます。

カフェインを見直す

以前は、カフェインが入った飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)をいくら摂取しても眠れていても、疲れが長く続く場合には、カフェインを徐々に減らしてやめるようにしましょう!
カフェインレスのコーヒーや麦茶やお水などに変えてみてください。
カフェインをやめるだけで、ぐっすりと夜眠れるようになることがよくあります。
カフェインは脳を覚醒させるため、夜間の深い睡眠の妨げにもなります。

飲酒を見直す

アルコールは、寝つきをよくしてくれますが、深い睡眠が妨げられるため、体や脳の回復が悪くなります。
疲れている時には、アルコールを徐々に減らして、やめてみることが大切です。

スマホやパソコンやテレビの使用時間を見直す

夜遅くまでスマホやパソコンやテレビを見ていて、寝る時間が遅くなると、睡眠のリズムがくるってしまいます。
体と脳を回復させる方法は睡眠と休息です。
特にスマホは枕元に置かずに、アラームが必要であれば、目覚まし時計に変えてみるなど工夫をしましょう。

食事を見直す

食事量が減っていたり、栄養のバランスが悪い食事をしている場合には、しっかりと栄養のバランスのよい食事をしっかりと食べるようにしましょう。

翌日以降に疲れがたまらない程度に活動量を制限する

翌日以降に疲れが増すようであれば、その日の体の活動量や脳のエネルギーを消費する活動が多い証拠です。
翌日以降に疲れが増さないように、その日の体の活動量や脳のエネルギーを消費する活動を制限するようにしましょう。

体の活動量の制限

人によっては、以前の活動量の10分の1でも多い場合があります。
もし、活動した翌日に疲れてほとんど一日中横になっているようであれば、その要因となった活動量を半分以下にしてみましょう。

脳のエネルギーを消費する活動の制限

体を動かしていないので、休んでいると思っていませんか?
体は休めていても、スマホやパソコンやテレビを見ているだけでも脳がエネルギーを消費します。
疲れている時にはスマホ、パソコン、テレビなども控えましょう!

そのほかにも、嫌な出来事を思い出してイライラしたり、将来のことを考えて不安になったりすることも脳のエネルギーを消費する活動になります。
ネガティブな考えや気持ちが繰り返し出てくる場合には、それらを減らすような工夫が必要です。

上記の内容を少なくとも2ヶ月は実践する

寝ても疲れが取れない人は、1~2週間くらい休んでも変わらないことがよくあります。
長い間、疲れがたまっている場合には、上記の内容を少なくとも2ヶ月は実践するようにしてください。

2ヶ月間実践することで疲れが取れた感覚が出てきて、以前よりも動けるようになったり、パフォーマンスが上がっていることが実感できると思います。
もし、それができていないようであれば、上記の内容を再確認してください。

疲れが続いている人に上記の内容の実践をおすすめしても「何もしない時間が耐えられない」といって常に何かをしている人は、なかなか疲れが取れません。
疲れがたまっている人の多くは、それまでは頑張ってやってきた人たちです。
今まで頑張ってやってきた人は、ほとんどの人が「何もしないでいると落ち着かない」と感じると思います。
頑張ることは良い面もありますが、疲れがたまって頑張れなくなっては元も子もありません。
まずは、「休む練習」をしましょう!
体と脳を休めて、しっかり眠るようにしましょう!

まとめ

疲れが長く続く時に、その疲れを回復するためには、まず以下のことを試してみてください。
1)生活習慣を見直す(睡眠、食事、カフェイン、飲酒、スマホやパソコンやテレビの使用時間)
2)翌日以降に疲れがたまらない程度に活動量を制限する(体の活動量と脳のエネルギーを消費する活動量の両方を制限する)
3)1と2を少なくとも2ヶ月は実践する

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

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