コミュニケーションで大切なポジティブなストローク(存在を認める表現)

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相手とコミュニケーションをとる時に、うまくいっている相手とうまくいっていない相手とでは何が違っていると思いますか?
うまくいっている相手とは笑顔であいさつができるけど、うまくいっていない相手には同じように笑顔であいさつができないことはよくあると思います。
もし、うまくいっていない相手に無表情で心がこもっていないあいさつをしていたら、相手は不快に感じるかもしれません。
このような「笑顔であいさつをすること」と「無表情で心がこもっていないあいさつをすること」は、それぞれ「相手の存在を認め、うれしい気持ちにさせるポジティブな表現」と「相手の存在は認めるけど、不快にさせるネガティブな表現」として相手に伝わります。

前回の記事で紹介した交流分析を用いてこれらの行動を分析することで、良好なコミュニケーションをとるためにどのような行動をすればよいのかを理解できるようになります。

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ストロークとは?

前回の記事では、交流分析の理想の基本的な構えは、「私はOKである、あなたもOKである」ことを解説しました。
「私はOKである」は、自分自身の存在を認めるポジティブな表現であり、「あなたはOKである」は、相手の存在を認めるポジティブな表現です。
この存在を認める表現は、「ストローク」と呼ばれます。
「こんにちは」と相手に話しかけて、相手からも「こんにちは」と返事があった場合には、自分から相手にストロークを与え、相手から自分にもストロークが与えられたことになります。
相手からほめられたり、ハグをされたりすることも相手から自分にストロークが与えられます。
このように人とのかかわりの中で、私たちはストロークをやり取りして生きています。

ストロークの種類

ストロークには、いくつか分類する方法があります。

  • 言葉によるストロークと言葉以外によるストローク
  • ポジティブなストロークとネガティブなストローク
  • 条件つきストロークと無条件のストローク

これらの分類についてこれから説明します。

言葉によるストロークと言葉以外によるストローク

言葉であいさつしたり、言葉でほめることは、言葉をかわすことによる表現であるため、言葉によるストロークになります。
笑顔やハグなどは、言葉以外によるストロークです。
笑顔で「こんにちは」とあいさつをすれば、言葉によるストロークと言葉以外によるストロークの両方を与えたことになります。
コミュニケーションによって相手に与える印象の多くは、表情、視線、声のトーン、しぐさ、態度などの言葉以外によるものが非常に大きいことが知られているため、これらの言葉以外によるストロークもとても重要です。

ポジティブなストロークとネガティブなストローク

うれしいなどのポジティブな気持になる表現は、ポジティブなストロークです。
そのため、なるべくポジティブなストロークを与えることで、コミュニケーションが円滑になります。
逆に、不快などのネガティブな気持になる表現は、ネガティブなストロークです。

ポジティブなストロークを得ることが難しいと、ネガティブなストロークを得るような言動をする人がいます。
人にとって一番つらいのは、相手にされない(無視される)ことです。
無視されるよりも相手にしてもらうほうがいい、つまり、無視されるよりもネガティブなストロークを得られた方がいいため、相手を不快にさせてもコミュニケーションを取りたがることがあります。
そのため、「いつもネガティブなストロークを与えてくる人は、これまでの人生でポジティブなストロークをあまり得ることができていなかったのかもしれない」といったことを考えてみることで、相手の言動をより深く理解できることがあります。

条件つきストロークと無条件のストローク

ある条件(行動)に対してストロークを与えることを条件つきストロークといいます。
例えば、親が子どもに「テストの点数が満点だなんて、すごいね」といった場合です。
この時は、ある条件(行動)が「テストの点数が満点であること」であり、その条件に対してストロークを与えることが「すごいねとほめること」になります。
このような条件つきストロークが繰り返されると、その条件(行動)を起こす頻度が増えます。
つまり、テストで満点を取る頻度が増えることになります。
しかし、毎回ほめないと満点を取る頻度が減ったり、「満点が取れない自分には価値がない」と思うようになることがあるため、このような条件付きストロークを与える場合には注意が必要です。

無条件のストロークは、条件なくストロークを与えることです。
例えば、親が子どもに「居てくれるだけでいいんだよ」とか「大好きだよ」などのように相手の存在そのものを認めるメッセージを与えることです。

最近は、ほめて育てることがすすめられていますが、ほめる場合も「条件つきのポジティブなストローク」ではなく、「無条件のポジティブなストローク」を与えるようにしましょう!

また、「あなたには、そばに居てほしくない」とか「あなたのことが嫌い」といった無条件のネガティブなストロークは、好ましいストロークではありませんが、図書館で「おしゃべりをするのであれば、ここに居てほしくない」とか「共有スペースのテーブルの上にあなたの物がたくさん置いてあると、嫌な気分になります」といった条件つきのネガティブなストロークは、時と場合によっては主張する必要があったり、教育的には重要であったりします。

無条件のポジティブなストロークを自分自身に与えてみる

もし、「自分は愛される存在であると思えない」、「自分にはあまり価値がない」と思っている人は、自分自身に「自分は愛される存在なんだ」、「自分には価値がある」といった無条件のポジティブなストロークを与えてみましょう(「私はOK」の実践)!
1回だけではなく、毎日これらの「無条件のポジティブなストローク」を与えてみることを数か月続けてみてください。

同じストロークが交換されることを理解する

無条件のポジティブなストロークを相手に与えると、相手からも無条件のポジティブなストロークを得ることが増えてきます。
一方、無条件のネガティブなストロークを相手に与えると、相手からも無条件のネガティブなストロークを得ることが増えてきます。

今後、コミュニケーションを円滑にしたいのであれば、無条件のポジティブなストロークを与えてみること(「あなたはOK」の実践)を試してみてください。

まとめ

今回の記事では、コミュニケーションで大切なストロークについて解説しました。
言葉だけでなく言葉以外のストロークにも気を配り、無条件のポジティブなストロークを相手に与えることで、良好な人間関係を作っていくことが可能になります。
是非、参考にして実践してみてください。

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